2017年9月19日、ヒカル氏(YouTuber)が所属する株式会社VAZの森泰輝社長が「VALU売り逃げ騒動」について日経ビジネスONLINEのインタビューに応えています。この中で、森社長はVALU売り逃げ騒動の遠因として、「ヒカルは社会的倫理を理解できていなかった」という点を挙げています。

これはなかなか真実を突いた考察だと思います。ヒカル氏自身のキャラクター、性格、価値観に踏み込んで、話しています。今までVALU売り逃げ騒動に関してはどちらかというと、「法律に違反しているのではないか?」「VALUの利用規約に違反しているのではないか?」等のルール面での指摘が多かったと思います。

ところが、森社長はそういう外面的な事実ではなく、ヒカル氏の内面に着目して、今回の騒動を振り返っています。ネット上ではVAZの森社長は能力が低いと言われていますが、私は決してそうとは思いません。むしろ、経営者としてはかなりやり手だと思います。それは今回の騒動を振り返って話しているインタビュー記事を引用しながら、解説していきます。

ヒカル所属事務所の社長が激白!休止騒動の真相

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VALU売り逃げ騒動の遠因はヒカルの性格や価値観にあり!

『ヒカルさんの活動休止については、どのように考えているのですか。』という質問に対して、森社長は次のように応えています。

森:

ヒカルについては、ユーチューバーとして活動する上での自由と、彼が持っている義務というか、果たすべき社会的倫理をきちんと理解できていなかったと思います。私自身、彼のことは尊敬していますし、いい人間だとは考えています。ただ、彼のユーチューバーとしてのスタイルが、ある種攻撃的で、いわゆる「アンチ」と呼ばれる、自分に否定的なユーザーに対して過剰に反発してしまうようなところがありました。

また、彼自身、法律に触れなければ問題はない、悪意を持って行動しなければ問題がないだろうという考え方があったように思います。ユーザーにプレゼントを贈る企画を積極的に実施したりと、ユーザーのためにユーチューブというプラットフォームを活用するという意識は強かっただけに、私としては、今回のVALU騒動のような、金儲けを疑われるような行動をとってほしくはなかったと考えています。

ただ、それに関しては、何が疑われる行動になるのかという点について、彼としては判断が難しかったのも事実。影響力を持っているだけに、知識のないまま新しいネットサービスに手を出したり、金銭に関わる活動をしたりするリスクは大きかったと思います。彼としては純粋に面白いからという意識だったかもしれませんが、専門家の判断なども交えて、きちんと検討するべきだったと捉えています。

森社長はVALU騒動の原因として重要な点を4つ挙げています。この4点は2017年8月15日に起きたVALU売り逃げ騒動の直接的な原因であるとは見做されていません。しかしながら、少なくとも今回の騒動の遠因にはなっていると思います。さらに根本的な原因はこの4点だったのではないかと感じます。一つずつ解説していきます。

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<原因1>ヒカルは社会的倫理をきちんと理解できていなかった

森社長は「ヒカルは社会的倫理をきちんと理解できていなかった」とイキナリ鋭い指摘をしています。社会的倫理とは「社会における人と人との関係を定める道徳上の規範」のことです。

道徳
「社会生活を営む上で、ひとりひとりが守るべき行為の規準(の総体)。自分の良心によって、善を行い悪を行わないこと。」

道徳上の規範というのはとても曖昧なものです。多くの人が「なんとなくこうした方がいい」と考えているルールになります。かなり曖昧なルールで明文化されていないけど、「なんとなくのぼんやりしたルール」です。森社長はヒカルと直に接してきた人なので、「あれ?ヒカルってちょっと社会倫理から逸脱しているなー」と感じることがあったんだと推測します。

今回のVALU騒動でヒカル氏の最も致命的な対応はTwitterで「損する側に回っただけ」という発言でした。

そういうルール、サービスとわかって買ったんじゃないですか?
利益を得る目的で。
そして誰かが損をするのを承知で。

損する側に回っただけですよ。

VALUから利用規約違反を受けたのはヒカルの方です。ヒカル自身はVAの発行によって約4000万円程の利益を手にしました。ヒカルはVAの発行者なので、元手ゼロ円で利益を手にできる立場です。確かにヒカルのVAの取引で損した人は「損する側に回っただけ」なのかもしれない。そして、ヒカルは得する側に回りました。しかし、発行者がこの発言をしてしまうのは明らかに間違っています。

例えば、上場企業の社長が一度でも自社の株式を購入してくれた株主に対して「我が社の株式の取引で、損してしまって残念でしたね。取引では得する人と損する人がいて、あなたは損する側に回っただけなんですよ」と言ってしまったようなものです。通常では考えられません。こういう発言が出てしまうのはまさに森社長が言っている「ヒカルは社会的倫理をきちんと理解できていなかった」に他なりません。

このタイミングで「迷惑をかけて申し訳ございません」と一言、誤っておけば、今回のような大騒動には発展しなかったかもしれません。

<原因2>ヒカルは自分に否定的なユーザーに過剰反応してしまう

次に森社長が指摘しているのは「ヒカルは自分に否定的なユーザーに過剰反応してしまう」という、ヒカルの性格です。先程の「損する側に回っただけですよ。」の発言も元々はTwitterのフォローワーから、次のコメントへの返信でした。

今回のvaluの件で買い入れた人がいる事本当に分かってますかね?金の重みが違うのかもしれませんが適当に済ませすぎですよ

発言主のしろさんは確かにヒカルに対して否定的なユーザーだったのかもしれません。しかし、これは明らかに過剰反応です。なぜなら、会話の流れからすると、しろさんの発言は別に強くヒカル氏を否定したものではありませんでした。

「損する側に回っただけですよ。」という発言が出る前にやり取りを確認すると、ヒカルの過剰反応であったことがよくわかります。まずこちらのやり取りをご覧ください。

ヒカルが消したツイート(「損する側に回っただけですよ」を発言するまでの経緯)

2017年8月15日にVALU売り逃げ騒動が勃発したことに対して、ヒカル氏はこのようにツイートしていました。
自分で言うのもなんやけど俺の影響力が凄すぎて度が過ぎているように見えているだけやと思う。他の人が俺と同じことやっても全く問題になんかなっていないから。火種すら生まれない。こんな人格やのに影響力ありすぎてすまん。いや、こんな人格やから影響力を持ったんかな。と今思った。

ヒカル氏は当初、自分の犯したVALUでの利用規約違反に対して、ほとんど罪の意識を持っていませんでした。その上で、「自分の影響力が強いから問題になっただけ」と開き直る発言をしていました。これに対して、否定する人が続出しました。なぜなら、ヒカル氏は騒動が勃発した時点ですぐにVALU関係のツイートを削除していたためです。そして、以下のような意見が寄せられました。

VALUの騒動があったのにも関わらず、それ関係のツイート消したりして隠蔽した。これまでもそうだけど、過ちはしっかり正直に釈明して頭下げた方が良いと思う。
隠蔽するってことは悪いって事分かっているね。

結果的にヒカル氏、ラファエル氏、いっくん氏の3人で結託して、全VAを売りに出すという行為はVALUの利用規約に違反していました。そのため、運営側から警告を受けてしまいました。本来、ヒカル氏は一言、謝罪の言葉を口にすべきだったのに、過去の自分のツイートを消すという如何わしい行動に走ってしまいました。その点を指摘されて、「VALUにアクセスが行かないようにするため」というトンチンカンな反論をしました。

消した理由はバリューにこれ以上アクセスいかないようにするためやで。消しても消えんのがネットやからそれ以外に消す理由はないし。

ヒカル氏のTwitterに別にVALUへのリンクが張られていたわけではありません。そのため、「バリューにこれ以上アクセスいかないよにするためやで」という言い分は論理的ではありません。消した理由はヒカル氏のツイートにこれ以上、アンチコメントが集まらないようにするためでしょう。以下のようなアンチコメントが大量に殺到していました。

ヒカル氏のTwitterに寄せられたアンチコメント

ヒカル氏はアンチコメントが気になるばっかりに、鬱陶しくなってしまい、最終的に「損する側に回っただけですよ。」という本音がついつい出てしまったのです。自分に否定的なユーザーに過剰反応せずに冷静に対処しておけば、ここまで大きな社会的制裁を受けることもなかったのでは!?と推測します。

<原因3>ヒカルは法律に触れなければ問題ないと考えていた

森社長の考察の中で、この「ヒカルは法律に触れなければ問題ないと考えていた」という指摘はかなり的を得ていると思います。確かに今回の騒動はVALUの利用規約違反が発端になっています。ヒカル氏は8月15日時点では法律違反にしていることが確定している状況ではありませんでした。ヒカル氏、ラファエル氏、いっくん氏の3人で話し合って、8月15日に全VAを放出する行為は直ちに法律に違反するわけではありません。

ヒカル氏は情報商材屋時代も含めて、昔から「法律に違反していない=やってもOK」と考えて、行動してきました。これはこれでヒカル氏が経済的に成功してきた要因の一つになっています。グレーゾーンはリスクが高い代わりに、高収益です。ヒカル氏は過去には2011年3月11日の東日本大震災が起きた時に、福島原発に作業員を派遣するビジネスに手を出しています。その時に、反社会戦力とトラブルを起こしてしまい、800万円の借金を背負うことになりました。高収益かもしれませんが、リスクも伴います。

そして、今回のVALU売り逃げ騒動で、ヒカル氏は2017年8月16日にTwitter上で次の発言を行いました。

ヒカル氏Twitter「あとバリューでは現在インサイダー取引は適用されていないはずですが…」

バリューって見返り求めるサービスじゃないですよ。
それと何かする気はないというのは見返り求めるような人達のために何かをするのは嫌だという意志表示で、本当に何もしないわけではありません。
あとバリューでは現在インサイダー取引は適用されていないはずですが…
まあ今後の僕に期待してください。

ヒカル氏は「身内である井川氏はインサイダー取引を行ったのでは!?」という非難に対して、「バリューでは現在インサイダー取引は適用されていないはずです」と反論しています。何もヒカル氏は間違ったことを言っているわけではありません。VALUの取引では証券取引法は適用されません。

だから、今回のヒカル氏らの一連の行動は証券取引法で定められているインサイダー取引には該当しません。ただ、ここで注目すべきはヒカル氏が「法律」に注意を払っているという点です。ヒカル氏は9月4日に公開した謝罪動画の中では「VALUについては詳しくない」と話していたのに、VALUが証券取引法の範囲に入らないことはちゃんと理解しているのです。

さらに、時間は前後しますが、ヒカル氏は上記のツイートの前日に次のようにツイートしました。

規約違反は犯罪ではないで。
ツイッターで垢BANされたり、凍結されたりと似たようなレベル。

騒ぎすぎ。

ヒカル氏らはVALUの利用規約に違反したことによって、VAの価値が暴落してしまいました。ヒカル氏のVAに投資していたVALUERの資産価値を引き下げてしまったのです。それにもかかわらず、「規約違反は犯罪ではないで」という意味不明な反論をしています。

森社長の考察通り、ヒカル氏は「法律に触れなければ問題がない」「法律違反以外ではあれば、何でもOK」と考えている節があることは明らかです。しかし、この発言は多くのVALUERの心を傷つけてしまいました。法律違反じゃないかもしれないけど、ヒカル氏に期待してVAを保有しているのに、VALUの利用規約によってVALUERの資産価値を下げて、完全に開き直っています。金銭的な損失が伴っている以上、Twitterの垢BANと同じレベルとして捉えるわけにはいかないと思います。しかし、ヒカル氏の頭の中は「法律違反ではない=無罪=おれはセーフ」というロジックなのでしょう。

VAZ森社長の指摘は3つとも正しい!

森社長は「ヒカル氏の活動休止」についてインタビューで次のように応えていました。

  • 彼が持っている義務というか、果たすべき社会的倫理をきちんと理解できていなかった
  • 自分に否定的なユーザーに対して過剰に反発してしまう
  • 彼自身、法律に触れなければ問題はない、悪意を持って行動しなければ問題がないだろうという考え方があった

この3つはそのまま今回、VALU売り逃げ騒動が起きた遠因になっています。ヒカル氏の性格や価値観によって、引き起こしたと言っても過言ではありません。明らかにTwitterで不用意な発言をやり過ぎました。しかも、ヒカル氏が受け手側が共感できない反論コメントばかりを発しまくっています。

実はVALU騒動後もヒカルの人間性は何も変わっていない!

ヒカル氏は8月15~16日にVALU売り逃げ騒動を引き起こしました。そして、世間から非難の声が高まる中、8月17日に「熊本震災の義援金として500万円募金しました」という動画を公開しました。

ヒカル氏、ラファエル氏、いっくん氏の3人はVALU騒動を引き起こした張本人たちです。VALU売り逃げ騒動の炎上を募金で火消ししようとしたのです。おそらくヒカル氏の中では「さすがに募金の動画に低評価をつける人はいないのだろう」という考えがあったのかもしれません。しかし、蓋を開けてみたら、好評価6万に対して低評価が15万も集まってしまいました。

ヒカル氏は社会的倫理を理解していませんでした。世の中は法律だけで成り立っているわけではありません。みんな、それぞれルールを持って生きています。ヒカル氏のルールは「法律に違反しなければOK」なのかもしれません。しかし、この低評価の数を見る限り、世間の多くの人はそうは考えていませんでした。

「VALU売り逃げ騒動をうやむやにするために、火消しのために募金を利用してきたな」ということが見透かされてしまったのです。

ヒカル氏が募金動画で火消しができると思っていたことに、多くの人は驚いたと思います。ヒカル氏はそういう世間一般の人が持っているであろう感覚や感性を持ち合わせていませんでした。人間性や性格がそんなにすぐに変えられるわけでもなく、変わるわけでもありません。

つまり、仮にヒカル氏が復帰したとしても、「社会的倫理を理解できていない」「自分に否定的なユーザーに過剰に反発してしまう」「法律に触れなければ問題がない」の3点を改めないと、また同じような事件を引き起こしてしまうということです。