VALU社が悪い?VAZ社が悪い?

ヒカル氏らはVALU売り逃げ騒動に関する謝罪動画を公開して、活動休止とネクストステージ(ヒカル、禁断ボーイズ、ラファエル、オッドアイ)の解散を発表しました。

ファンの間ではこの謝罪動画を視聴して、実はヒカルさんは別に悪くないのでは!?と言う人もいます。また、VALUの売り逃げ騒動の本質を理解していない人の中には「ヒカルらはまったく悪くない」とか「ヒカルは詐欺師ではない」「VALUのシステムが悪い」「VALU社もVAZ社も関わっていた」という間違った情報に洗脳されている人が多い。

なぜ、これらのウソ情報に引っかかってしまうのか?、それは今回の「VALU売り逃げ騒動の真相」を理解していないためです。おそらく「投資」や「市場のルール」に対して無理解なのでしょう。一体、なぜヒカル氏らが悪いのかということを今からわかりやすく解説していきます。(他のメディアでは出回っていない情報です。)

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謝罪動画でヒカルが明かした新情報は別に大した価値はない

上記の謝罪動画でヒカル氏は世間に今まで出ていない情報を明かしたとして、次の2点を挙げていました。

  • VALU社も関与していた
  • VAZ社の関係者も関与していた

この2点を挙げています。ただ、この2つの情報には別に大した価値はありません。何か現状をひっくり返して、「僕たちの行為は正しいし、被害も与えてないし、無罪放免だ」ということにはなりません。

買い戻しを途中で辞めちゃっいる以上、ヒカル氏らが与えた損害の回復にはなっていません。もし完全にVALU社とVAZ社の関係者の指示で、ヒカル氏らが単なる演者として動いていたのなら、話は違ってくるでしょう。しかし、今回はそうではありません。ヒカル氏らは能動的に動いています。あくまでVALUの取引は個人が管理画面にログインして行っているわけで、第三者が操作していたわけでもありません。

この謝罪動画は巧妙に論点のハグラカシを行っております。

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ヒカル氏の弁明を整理する

VALUとは自分自身を会社に見立てて上場できるサービスです。模擬株式「VA」を不特定多数の人に売ることによって、資金を調達できます。言うならば個人版株式市場のようなものです。また、VAの売買はビットコインで行われます。

<用語説明>
・VA=擬似株式
・VALUER=株主

この「VALU」というネット上のサービスで、人気YouTuber達(ヒカル氏、ラファエル氏、いっくん氏(禁断ボーイズ))のVAが高騰後に暴落する騒動が起きました。

8月15日の11時頃、ヒカル氏らは突如、自身の保有する全VAを売るという行為に出ました。その日の早朝、ヒカル氏らの所属するNEXTSTAGEの顧問である井川氏は事前に安値で仕入れていたヒカル氏のVAを売り逃げていました。一連の取引で井川氏は約103万円(推定)、ヒカルら氏は5465万円の利益を手にしました。

8月15日、ヒカル氏はVALU売り逃げ騒動について次のように弁明しました。

今、ネット上で話題となっている件について真実をお話しします。

~(中略)~

インサイダー取引疑惑ですが、あたかも僕たちが井川さんと連携して、井川さんを儲けさせたかのような事実はありません。あくまで井川さんは、僕たちのファンのみんなのためにVALUを売ってくれただけです。

もともと「自分たちの価値を比べて、誰が一番価値のある人間かを競う」という動画の企画として考えていただけで、僕たちは一切VALUで利益を得るつもりはありません。僕たちはファンのみんなのためにVALUを利用したかっただけです。

そこで、今回の一連の取引で僕らが得た全てのビットコインを使って、自分のVAを過去最高(付近)で買いたいと思います。この金額は5465万円相当(※平成29年8月17日時点の円換算)に該当します。

~(中略)~

僕はわざわざ数千万のために自分の信用を落とすような小遣い稼ぎはしません。これが今回の一連の全貌です。本件は今後も法律の専門家と連携し、VALU社の方針も遵守して対応していきます。

上記の弁明を整理すると、次の3点に要約できます。

(1)身内の井川氏を儲けさせたインサイダー取引は行っていない。
(2)動画の企画であって、VALUで一切、利益を得るつもりはなかった。
(3)自分のVAを過去最高(付近)で買い戻す。

蓋を開ければ、ヒカル氏の弁明していた上記の3点は全てウソでした。

<嘘その1>身内の井川氏を儲けさせたインサイダー取引は行っていない

井川氏は8月22日に、突如、VAZ社の顧問を辞任しました。ヒカル氏は井川氏を自身の唯一の師匠だとして慕っていました。今まで同じチームとしてやってきたヒカル氏&井川氏でしたが、ヒカル氏一人が取り残されることになったのです。

実は8月15日の時点で、ヒカル氏のオフ会を手伝っていた女性スタッフからTwitter上で以下のような内情の暴露がありました。

井川氏はインサイダー取引を行っていた

井川氏は通帳の金額を見せながら、ヒカル氏のVAを買うようにオフ会のスタッフに勧めていたとのことです。この女性スタッフはヒカル氏の動画にも出演されていた方なので、正真正銘の内部リークです。

VALU売り逃げ騒動の真実、ボランティアスタッフからの内部リーク

他にも複数のヒカル氏のオフ会スタッフから、同様の報告が挙がっています。ヒカル氏は「あたかも僕たちが井川さんと連携して、井川さんを儲けさせたかのような事実はありません」と説明していました。

しかし、井川氏は身内のスタッフにも買い煽りを行っており、自身も事前に安値で仕込んでいました。もし本当に儲けさせるつもりがないのなら、「事前の安値仕込み」は不要です。

8月15日の早朝、ヒカル氏が全VAを放出する直前で高値で売り抜ける行為はインサイダー取引と呼ばれても仕方のない行為だと思います。

井川氏は「市場の公平性」の精神とは真逆の行動を取っていました。ヒカル氏は「小遣い稼ぎをするつもりがない」と主張していますが、その周辺では小遣い稼ぎが横行していたのです。

<嘘その2>動画の企画であって、VALUで一切、利益を得るつもりはなかった

ヒカル氏は「自分たちの価値を比べて、誰が一番価値のある人間かを競う」という動画の企画だったと説明しています。それだったらVAの時価総額で競えば良かったのになぜ全VAを放出して確定利益を得る必要があったのか?という疑問が残ります。

8月22日、ヒカル氏が所属するVAZ社の森社長が独占インタビューでVALU売り逃げ騒動について次のように語っています。

森:NextStage(ヒカルが所属する事務所内ブランド。ラファエル、いっくんも所属する)が人気を競うために始めた企画です。どれだけ自分たちに人気や影響力があるかをVALUで示したいと考えていたようです。VALUでお金を儲けたいという気はなく、VALUで得た利益は寄付をするつもりだったようです。
(出典)Yahoo!ニュース

森社長のインタビューを読む限り、やはり「誰が一番、価値があるのか?」ではなく「誰が一番、儲かるのか?」という企画になっています。

確定利益ではなく、時価総額で競えば、何の問題にもならなかったのに、インパクトを重視したかったんだと推測します。YouTubeの動画のサムネイルで「1億円、儲けました!全部、寄付します!」みたいな感じで打ち出したかったのでしょう。

ところが、得た利益を寄付するつもりだったとしても、「一切VALUで利益を得るつもりはない」ということにはなりません。

手にした利益を後で寄付するか・寄付しないかはVALUの市場参加者にはまったく無関係な話です。

市場には必ず取引の相手方が存在しています。自分の損益をプラスマイナスゼロにしたとしても、相手方に与えた損失がなくなるわけではありません。

ヒカル氏本人もこの点についておかしな説明を繰り返しています。9月2日、ヒカル氏はインタービューの中で次のように受け答えしています。

<Q>
タイミングを考えると、利益を得るために「売り逃げた」と感じる人も少なくないと思います。「お金をもうけよう」という気持ちはありましたか?

<A>
ゼロです。そこははっきりと否定させてください。VALUでお金を稼ごうと考えたことは一度もありません。僕らの知名度を上げるためのツール、動画のネタにしたいという思いしかありませんでした。

<Q>
とはいえ、利益が出ると認識されていましたよね。

<A>
はい。もし利益が出たら、なんらかの形で視聴者さんに還元したいと考えていました。

(出典)Yahoo!ニュース

いやいや、ちょっと、ちょっと、お兄さん。

VALUで売り抜けた利益をYouTubeの視聴者に還元するというロジックが意味不明です。

今回、ヒカル氏らは違法ではなかったとしても、健全とは呼び難い行為によって、VALUの市場参加者に損害を与えました。時価総額ではなく、確定利益の大きさで競っていたのであれば、最初からVALUという市場から利益を得るつもりだったのです。

少し例えが悪いかもしれませんが、『Aさんから自転車を盗んできて、まったく赤の他人のBさんに自転車を返します』と言っているように聞こえます。

ヒカル氏の思考法はかなり独特です。

「自分の損益がプラスマイナスゼロになればOK」と考えている節があります。(この独特の思考法はまた登場するので、もう一度、解説します。)

あと、細かい点を指摘すると、先程の森社長の「後で寄付するつもりだった」という話とヒカル氏の「視聴者に還元するつもりだった」という話が微妙に食い違っています。VALUで得た利益をどうするかについて、明確に決めていなかった可能性もあります。

<嘘その3>自分のVAを過去最高(付近)で買い戻す

ヒカル氏らはこれらの一連の騒動を収束させるために「自分のVAを過去最高(付近)で買い戻す(自社株買い)」ことを表明しました。

この対応を行っても、そもそも全員が救済されるわけではありません。

時系列を追うと、8月15日に全VAを放出するという不良行為を行い、ヒカル氏らは売り逃げました。この日に運営元のVALU社からヒカル氏らは「規約違反の恐れがある」という警告を受けます。

売り逃げ騒動が明るみになって、この時点でヒカル氏らのVAを損切りした人も多く存在していました。ヒカル氏が自社株買いを開始したのは8月18日なので、8月15日と8月17日に損切りしてしまった人は救済されません。

ヒカル氏の対応はいわば、VAを保有し続けて逃げ遅れた人達だけを救済しているだけに過ぎません。そして、絶対に見逃せないのが、逃げ遅れた人達の救済さえもヒカル氏は放棄していたのです。

ヒカル氏は8月18日9時から20時まで買い戻しを実施すると表明していました。しかし、実際には8月18日の昼過ぎで勝手に買い戻しを停止していたのです。VALUのタイムラインには、VALUER(株主)から「ちゃんと買い戻ししてください」という苦情が寄せられています。

VALU売り逃げ騒動の真実「VALUのタイムラインに苦情が寄せられている」

また、Twitter上でも同じように買い戻しが十分に行われていないという同様の苦情が挙がっています。

VALU売り逃げ騒動の真実「Twitterにも苦情が寄せられている」

この「買い戻し」について、ヒカル氏は9月2日のインタビューで次のように答えています。

<Q>
8月17日にVA(時価5465万円相当)の買い戻しを発表されましたが、いつまで続く予定ですか?

<A>
18日にすべての買い戻しが完了しました。

(出典)Yahoo!ニュース

ヒカル氏は「すべての買い戻しが完了した」と認識しているのようです。(しかし、これは間違っています。)

それでは、なぜVALUERから「ちゃんと買い戻してください」という苦情が寄せられているのでしょうか?

実はヒカル氏はこの買い戻しについて致命的な事実誤認を犯しています。

ヒカル氏は「今回の一連の取引で僕らが得た全てのビットコイン(5465万円)を使って、自分のVAを過去最高(付近)で買う」と表明していました。買い戻し作業が8月18日の昼頃に終わってしまったのは、約5465万円分の買い戻し金額を使い果たしたためです。これでは、救済されない人が大勢、出てきてしまうのも無理はありません。

儲けた金額分を買い戻すではなく、発行VA数を買い戻す必要があります。

残念ながら『自分のVAを過去最高(付近)で買い戻す』という宣言もウソでした。8月18日の20時まで買い戻すという約束を果たしていません。ヒカル氏らの対応はあまりにも不誠実です。この点は少しややこしいので、紙面を割いて詳しく解説していきます。

全VAを買い戻さないと損失の補填にはならない理由

ヒカル氏の事実誤認の根本は「自分の損益がプラスマイナスゼロになればOK」と考えている点にあると私は睨んでいます。

今回、中途半端な買い戻しを行った結果、VALUの市場には「ヒカル氏ら」と「買い戻しをしてもらえた人達」と「買い戻しをしてもらえなかった人達」の3層のプレイヤーが存在することになりました。

<ヒカル氏ら>
約5,465万円分の利益を得て、その約5,465万円を使ってVAを買い戻した。ヒカル氏らの損益はプラスマイナスゼロになった。
⇒自分達はこれで責任を果たしたと誤認している。
<買い戻しをしてもらえた人達>
全員の売却額を合計すると約5,465万円に達する。自分の買い値よりもヒカル氏に高く売れて、儲けた人もいる。
<買い戻しをしてもらえなかった人達>
ヒカル氏らが買い戻しを途中で打ち切ったため、含み損を抱えている。

ヒカル氏の行った買い戻しのスキームをわかりやすくモデル化すると、次のようになっていたのです。

(Step1)

Aさん、Bさん、Cさんの3名がZさん(=今回でいうヒカル氏)のVAを保有していました。

<ZさんのVALUER一覧>

取得単価 保有VA数 取得総額
Aさん 100円 100VA 10,000円
Bさん 200円 300VA 60,000円
Cさん 300円 100VA 30,000円

(Step2)

発行元のZさんが突如、価格200円で新たに900VAを発行しました。その価格で、Dさんは400VA、Eさんは500VAを購入しました。
⇒発行元のZさんは18万円(200円×900VA)の株式発行益を手にしました。

<ZさんのVALUER一覧>

取得単価 保有VA数 取得総額
Aさん 100円 100VA 10,000円
Bさん 200円 300VA 60,000円
Cさん 300円 100VA 30,000円
Dさん 200円 400VA 80,000円
Eさん 200円 500VA 100,000円

(Step3)

発行元のZさんは運営元から「規約違反の恐れがある」という警告を受けました。その影響で、ZさんのVAは暴落してしまい、誰も買い手が着かない状況になりました。ZさんのVALUERは全員、含み損を抱える事態になったのです。

この騒動の責任を取って、発行元のZさんはStep2で得た利益18万円を使って、過去最高価格である300円で自身のVAを買い戻す(自社株買いを行う)と宣言しました。

<計算式>
180,000円 ÷ 300円 = 600VA

つまり、600VAを買い戻すことにしたのです。

(Step4)

Zさんの自社株買いへの応募は早い者勝ちでした。この情報をいち早く察知したAさんとEさんはすぐさまZさんの売り指値である300円で全保有VAをぶつけて売り抜けました。

<ZさんのVALUER一覧>

取得単価 保有VA数 取得総額 売却額 利益額
Aさん 100円 100VA 10,000円 30,000円 20,000円
Bさん 200円 300VA 60,000円
Cさん 300円 100VA 30,000円
Dさん 200円 400VA 80,000円
Eさん 200円 500VA 100,000円 150,000円 50,000円

Aさんの売却額3万円(うち利益2万円)とEさんの売却額15万円(うち利益5万円)を合計すると、18万円に達します。

Zさんの得た利益額である18万円と一致して、Zさんの損益はプラスマイナスゼロになりました。しかし、Bさん、Cさん、Dさんは依然として含み損を抱えたままです。

Zさんは「18日にすべての買い戻しが完了しました」と宣言しました。これで本当に「すべての買い戻しが完了した」と言えるのでしょうか?(いえ、言えるわけありません)

大切な事なので繰り返しますが、どうもヒカル氏は「自分の損益がプラスマイナスゼロになればOK」という独特の思考法を持っているように思えて仕方がありません。

ヒカル氏は市場参加者の取得単価が一人一人異なる点を無視した対応を行っています。本来であれば、8月15日の時点でヒカル氏らのVAを保有しているVALUERの取得単価と同額で買い戻すという個別の対応が必要だったのです。もしその個別の対応ができず、今の方式で買い戻す場合は、市中に出回っている全VAを買い戻さなければいけません。

今、ヒカル氏らのVAはどういう状況にあるのか?

9月1日時点で、ヒカル氏らの板情報には大量の売り指値が残っている異様な光景が広がっています。

<ヒカル氏の板情報>

ヒカル氏の板情報

<ラファエル氏の板情報>

ラファエル氏の板情報

<いっくん氏の板情報>

いっくん氏の板情報

ラッキーゾーンでの買い注文が少量あるだけで、大部分の売り指値が宙に浮いた状態になっています。

もし本当に「わざわざ数千万のために自分の信用を落とす」つもりがないのなら、ヒカル氏らは直ちに市中に出回っている自身のVAを全て買い戻すべきです。その全量買い戻しに必要な資金は以下の通りになります。

残りのVALUER数
(人数)
残りの全VA数
買い戻し単価
(BTC)
残りの
買い戻し総額(円)
ヒカル氏 700人 1070VA 0.06233BTC 35,096,243円
ラファエル氏 231人 513VA 0.02038782BTC 5,503,866円
いっくん氏 196人 512VA 0.039471BTC 10,634,763円
合計 1,127人 2,091VA 51,234,872円

(※1)買い戻し単価(BTC)はヒカル氏らが表明していた価格を採用
(※2)買い戻し総額(円)は1BTC=526,235円(2017年9月3日12時時点)で計算

合計でさらに約5,100万円の追加資金を必要となります。これは株式市場で言えば、MBO(経営陣が自社を買収する)に当たります。通常、MBOを行う場合、株主には1ヵ月ぐらいの期限を設けて十分にアナウンスした後で自社株買いを行います。

今回のヒカル氏のように、8月18日というたった一日の期限では短すぎるし、しかもその日の20時までアナウンスしておきながら、勝手に昼過ぎに終了するのはめちゃくちゃな話だと思います。

見るに見かねたVALU社はVAZ社と井川氏に損賠請求を求めた!

8月23日、このような悲惨な状況を見るに見かねたVALU社はVAZ社と井川氏に損賠請求を求める内容証明を送付したことを明らかにしました。

本日、弊社顧問弁護士より、VAZ社および井川氏に対し、VAの大量販売など一連の行為による損害または損失が発生した本サービ スユーザーへの損害賠償または損失補填、VALU保有者からのVAの買取り、ならびに損害を被ったユーザーに対する今後の具体的な対応の内容およびスケジュールの公表等を勧告する通知書を内容証明郵便により送付いたしました。

(出典)VALU社

今回の一連の騒動はVALU社にもまったく責任がないとは言えません。VALU社は8月15日の時点で、ヒカル氏らの不良行為に気づいていたのに、ロールバックはおろか、売買の一時停止すらも行いませんでした。

VALU社は8月17日にヒカル氏らと協議して、「全VAを買い戻す」という対応で一応は了承したと推測します。しかし、ヒカル氏らは本当に全VAを買い戻すと赤字になるという理由で途中で損害回復の作業を一方的に停止しました。

ヒカル氏らに対応を丸投げしたのが失敗の元でした。

なぜヒカル氏らは買い戻しを渋っているのか?

なぜヒカル氏らは買い戻しを渋っているのでしょうか? 約5,100万円を追加投入して、完全なMBO(経営陣が自社を買収する)を実施しておけば、少なくともVALU社から損害賠償を求める内容証明を送付されることはなかっただろうと思います。

単純にヒカル氏らの手元に追加投入する資金がないのかもしれません。または、ヒカル氏の「自分の損益がプラスマイナスゼロだったらOK」という独特の思考法(しかし、間違っている)が邪魔しているのかもしれません。

正直、買い戻しを中途半端に放置している理由は不明です。

以下に私の勝手な推論をまとめました。

<疑問点と私の推論(まとめ)>

確証があるわけではなく、考えられる可能性を列挙しています。そのため、話半分で聞いていただければと思います。

Q1:

なぜ買い戻しを渋りながら、真相を明らかにした謝罪を行わないのか?

A1(私の推論):

  • 単純に今、手元に資金(約5,100万円)がなく、買い戻しを進められない。
  • 詐欺罪で捕まるリスクを低くするために全面的に非を認めるわけにはいかない。
  • 少なくとも井川氏の行動は言い逃れができず、釈明が難しくなっている。
  • VALU社を巻き込むためにも買い戻しを途中で辞めて、むしろ裁判に持ち込みたい。
  • 「自分の損益がプラスマイナスゼロだったらOK」だと本気で勘違いしている。

Q2:

なぜVALU社は8月15日に「規約違反の恐れあり」と認識して、8月23日には損害賠償を求める内容証明まで送っているのに、ヒカル氏らの上場を維持しているのか?

A2(私の推論):

  • ヒカル氏らのVAを保有するVALUERが1,127人も残っていて、今すぐ上場廃止にすると、VALUERの莫大な損失(約5,100万円)が生じる。(影響が大きすぎて動けない。)
  • 一連の損失額をVALU社側が負担するリスクを少しでも負うわけにはいかない。あくまで取引所としては第三者の立場を貫きたい。

VALU社側もヒカル氏ら側も水面下で熱い心理戦を繰り広げているように見えます。もちろん、上記は私の個人的な妄想であり、真実は当事者にしかわかりません。ヒカル氏ら、VALU社、VALUERの3者で、それぞれ立場が異なれば、当然、主張も変わってくるはずで、外部の者に真相がわかるはずがありません。

結局、ヒカルの弁明は3つともウソだった!

この一件は既に社会問題にもなっていることから、世論の影響も受けることになるでしょう。

特に8月17日に、ヒカル氏が「真相をお話します」と言って、述べた以下の3点には肝心の真実が含まれておらず、どれも矛盾に満ちています。また、冒頭の謝罪動画でもまったく肝心なことには触れていません。

(1)身内の井川氏を儲けさせたインサイダー取引は行っていない。

ヒカル氏が全VAを手放すことを知った上で井川氏は事前に安値で仕込んでいた。オフ会スタッフにヒカル氏のVAを買い煽った上で自分だけ暴落する直前で売り抜けていた。(行動だけを見ると、言い逃れは困難だと思われる)

(2)動画の企画であって、VALUで一切、利益を得るつもりはなかった。

儲けた利益を後で寄付したり視聴者に還元したりするつもりでだったとしても、「一切VALUで利益を得るつもりはない」ということにはならない。

(3)自分のVAを過去最高(付近)で買い戻す。

ヒカル氏、ラファエル氏、いっくん氏は買い戻しを途中で放棄した。(その結果、板情報が売り注文で溢れかえってしまっている)

ヒカルらの謝罪動画に関する4つの疑問点

(1)なぜ井川氏にインサイダー取引の件を電話で確認しないのか?

ヒカル氏らは冒頭で紹介した通り、2017年9月4日に謝罪動画を公開しました。この中で「なぜ買い戻しを途中で辞めたのか?」という問題の本質が語られることはありませんでした。井川氏のオフ会スタッフの買い煽りについては、「自分もネットで初めて知った」と話しています。それでは、なぜすぐに井川氏に電話して真相を確認しないのでしょうか?

少なくともヒカル氏は井川氏に事情を確認してから、謝罪動画を出すべきです。自分たちだけの責任ではないと主張するのなら、可能な範囲でその主張を正当化できる証拠を全力で集めようとするのが普通だと思います。しかし、都合の悪いことは全てオブラートに包んでいます。

(2)VALU社はそんなに深く関わっていないのに、なぜ責任を転嫁しようとするのか?

謝罪動画の中でヒカル氏はVALU社に「いっくんのアカウントを作り直してもらった件」と「優待情報を削除してもらった件」を例に挙げながら、VALU社も深く関与していたと主張しています。しかし、問題となっているのは、8月15日に行ったヒカル氏らの取引行為です。つまり、いくらVALU社が8月15日以前に関わりあっていたとしても、8月15日の不良取引行為に関与していた証明にはなりません。

8月15日の取引にVALU社が関わっていたということを証明できなければ、残念ながら、ヒカル氏の主張はまったく無意味です。(論点のハグラカシです。)

(3)VAZ社の関係者が関わっていたとしても、取引を行ったのはヒカルら本人達では!?

今回の動画の企画にVAZ社の関係者が関わっていたとしても、取引を行ったのはヒカル氏ら本人のはずです。VALUの管理画面にログインして、自分達の手によって操作していたことには変わりないでしょう。それであれば、VAZ社の関係者の責任に転嫁するのは相当、難しいと思います。

取引を実行したのが本人達だという事実には変わりありません。

(4)当初の動画の企画が本当にVALU社のせいで変わってしまったと言えるのか?

ヒカル氏は謝罪動画の中で当初の動画の企画では「全VAを放出する予定ではなく、時価総額で3人の価値を競い合う内容だった」と述べています。それがVALU社の不手際で新着情報に上がってしまい、買いが殺到して、当初の企画を進められなくなったと説明しています。

しかしながら、ヒカル氏らは8月10日に上場したのなら、新着情報に上がることは当然のことです。上場しているのに身内の人しか買えないという状況の方が異常です。

VALU社としては、市場の公平性を保つために、ヒカル氏らを特別扱いするわけにはいかないのです。

この点においてもヒカル氏は根本的に誤認しています。悪気の有無は別として謝罪動画を見ている視聴者をミスリードしようとしています。

結局、ヒカル氏らがこの問題を今から丸く収めるにはあと5,100万円程の赤字を切って、一旦、市中に出回っている全VAを買い戻すしか方法が残っていません。ヒカル氏らはこのことを早く認識すべきです。